近年に地震や台風などによる自然災害が多く報道されています。自分の住んでいる地域の地質は大丈夫なのか?と不安に思う方も多く増えたかと思います。
当サイトでは地質図Naviを使って、自然災害に弱い地盤と地質を見極める方法をご紹介します。
自然災害と言っても、洪水、津波、土砂災害など多岐に渡りますので、以下のように分類して、ご紹介していきます。今回は、洪水編です。
※あくまでリスクの確率論のお話になります。完全に自然を把握することは難しいので”絶対の”安全をお約束するものではないことをご了承ください。
1.土砂災害
・落石・崩壊編(がけ崩れ)
・地すべり編
・土石流編
2.洪水
地質図Naviとは?(前提の確認)
地質図Naviは、”国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)”が提供しているシステムです。
国が作成している無料で誰でも地質図などを閲覧できるシステムになっています。以下にURLを添付しておきます。
これに、実は自然災害のリスクが色々載っているので、こちらを参考にご紹介します。
洪水が起きやすい地形と地質
洪水は、近年の温暖化の影響で台風やゲリラ豪雨が増えてきた関係で今後より増えてくるかと思います。
洪水を避けるためには、まずは各地域のハザードマップを確認してください。自治体のハザードマップが優秀なため、以下で説明する洪水が起きやすい地域とほぼ一致します。
ハザードマップだけでは不安な方は、以下を確認ください。洪水が起きやすい地域を地質図Naviを使って解説します。
ハザードマップの作るとき、考え方は同じになりますのでハザードマップの作り方と解釈しても問題ありません。
チェックポイント
洪水が起きやすい地域の判定は、真面目に考えると、河川の合流部、山を突き抜ける河川、川幅が狭くなるところ
、微高地に囲まれた低地など様々ありますが、一般の方にはよくわからないです。
そこで、簡単に判定する方法を解説します。
それは、”過去の実績を調べること”です。
論より証拠です。科学において、実績に勝るものはありません。どんなに理論武装しようが、実績には勝てません。
過去、洪水を起こしているところは今後も洪水を起こしやすいのは当然かと思います。そこで過去の洪水を起こしてるか否かを地質図Naviで調べたいと思います。
”明治期の低湿地データ”
明治期はまだ治水や造成の技術が発達していないため、自然の影響をより受けていました。明治期低湿地だったということは、氾濫原であった、または洪水が多かったと推定できます。
ここで、埼玉県浦和区の例を見てみます。
”データ表示”👉”地形”👉”明治期の低湿地データ”を表示します。合わせて、”シームレス地質図”と”河川・湖沼”も表示させます。
クリーム色の部分が明治期の低湿地です。地質図ともほぼ一致しており、段丘より低地であり、川に近い地域が湿地帯であったことを示しております。このような地域は、潜在的に洪水のリスクが高いと言えます。
逆に、段丘面(緑色の部分)は土地が比較的高いためほぼクリーム色がなく、洪水のリスクが低いと言えます。
もう一つ例をみておきましょう。以前、氾濫してニュースになった武蔵小杉です。
ほぼ低湿地です。現在、武蔵小杉は非常に発展しており、湿地帯であった面影がありませんが、以前はよく氾濫するような場所だったそうです。これを見ると納得できるかと思います。
まとめ
現代では、治水技術が発達しており、必ずしも低湿地であれば洪水が起きるわけではありません。
ただし、近年は予想を上回る豪雨が起きており、対応できていないのが現状です。
ハザードマップなど合わせて、確認して洪水リスクはできるだけ避けるようにしてみてください
”落石・崩壊編”、”土石流編”、、”地すべり編”もありますので、よかったらご覧ください。
・地すべり編