【地質調査(フィールド調査)】地質踏査に必要な道具 9選

地質調査に費用な道具を紹介します。
私個人の経験に基づいて、使った感想等も合わせて紹介していきます。

必須編(9選)

1.ハンマー

地質調査の基本となる道具です。
露頭にある岩石をサンプリングしたり、観察しやすいように削ったり、硬さを確認したり、用途は様々です

種類は、よく使われるのは、“ピックハンマー””チゼルハンマー” です。
ピックハンマーは添付のようにハンマーの反対側が先の尖ったものです。基本的に使われるのこちらのハンマーです。

チゼルハンマーは、添付のようにハンマーの反対側がタガネのようになっており、層理、節理などがはっきりしている岩石のサンプリングや採取したサンプルをトリミングするのに使います。

有名なメーカーは ”Estwing” というメーカーです。研究室時代も、建コン時代もどちらもEstwingを使っていました。

Amazonにある中では、E3-14P とE3-22Pが一般的なピックハンマーになります。

私が持っているのは、 E3-22P (約33cm、621g)ですが、重くて、持ち歩くとちょっと邪魔です。
E3-14P(約28cm、594g)で十分と個人的には思っています。

Estwing E3-22P 22オンス 13インチ ロックピック メタルハンドル
写真:ピックハンマーとiPhone 11 の大きさ比較

※ハンマーにチェーンつけておくと、なくさないです。フィールドだと意外とハンマーなくします。
※使用時は軍手等をして使うようにしてください。

2.クリコン、クリノメーター、走向板

地質の面構造の走向・傾斜の測定と単純に方位磁石として使います。
断層など構造を把握する踏査で頻繫に使用します。また、現在地の確認や踏査ルートの検討時には方位磁石として使用します。

これについては、最近メーカーがかなり限られていて、Amazonでも3種類(マイゾックス、ナリカ、神山製作所)くらいです。モノタロウでも似たような感じでした。

実は産総研からクリノメーターのアプリが出ています。

GeoClino for iPhone

対応はiPhoneのみのようです。精度があまり良くないよう印象でしたが、近年iPhoneの性能が上がってきたようで、iPhone11では特段問題なかったです。
ただし、面に当てずらい、iPhoneが汚れるなど問題点はあります。

走向板は、あってもなくても良いです。走向板がないと測りにくい節理や層理はあります。ただAmazonにも販売がありません。ニチカという専門商社で売ってます。

株式会社ニチカ

ただ平らな板があれば良いので、私は地形図を入れている画版を 走向板 代わりにしてました。

3.スケールプロトラクター(通称:スケプロ)

簡単に説明しますと、分度器+定規+三角スケール のような道具です。

スケールプロトラクター

測定した 走向・傾斜 を記入した際によく使いますが、三角スケールと定規の機能もあるのであらゆる状況で使用できます。これもAmazonにありません。大平産業とニチカという専門商社に売ってます。

個人でも買えるとは思いますが、買いにくいなーと思った方は、代わりに以下の3点を揃えたください。

1.分度器
2.定規
3.三角スケール

4.ねじり鎌

これは、観察したい露頭の表面を削って、綺麗にして観察しやすくします。
断層面や地質変換点をきれいに出せます。ホームセンターでも普通に売っています。

5.画板、クリップボード

地形図を挟んでおき、フィールドで地形図に地質などを記入していきます。
オススメは、A4の横開きで、上部にクリップあるタイプです。

理由としては、地形図をA3で印刷することが多く、A3を広げて閉じて左側を追加のクリップで止めておくことで画版を広げたときにA3の図面がそのまま開けるからです。

6.フリクション

地質の色付けしながら書くときは、フリクションが便利です。

色鉛筆だと鉛筆を毎回、持ち変える必要があります。また、消しゴムで消してもきれいにならず、せっかく書いた地質図が汚くなります。

一方、フリクションなら消しゴムも不要、色も一本で三色(赤、青、黒)をカバーできます。+1本くらい別の色のフリクションあれば、地質変化が激しくなければ、書けると思います。
熱で消えてしまうことがあるので、注意してください。

7.カメラ

カメラは、防水防塵のタイプがオススメです。フィールドですと、濡れたり、泥だらけになります。
iPhoneで代用したこともありましたが、いつ壊すかひやひやしていたので、別途購入をオススメします。

私が使ったことがあるのは、以下の2つですが壊れにくく、使い勝手が良かったです。

8.ルーペ

岩石内の含有鉱物を観察する際に使います。

9.サンプル袋

岩石をサンプリングした際に使用します。チャック付きのポリ袋がオススメです。

上級者向けの踏査道具 12選

以下の道具は、上級者向けです。本当に山の奥に行くような踏査の場合、必要な道具です。

鎌、剪定用ハサミ

藪漕ぎに使います。山奥の踏査になると草木を搔き分けて進むようなことがありますので、この辺りの道具があると便利です。

ポイズンリムーバー

毒虫や毒蛇に噛まれた際に吸引して、毒を排出します。
ポイズンリムーバーはあくまでも、応急処置の道具になりますのでその後、必ず病院に行ってください

pH試験紙

湧水のpHを簡易的に確認するのに使います。コンパクトなものもあるので、バックに一つ入れておいても良いと思います。

塩酸

炭酸カルシウム系の岩石を調べるときにあると便利です。数滴垂らして、二酸化炭素の泡が出るはずです。
サンポールで代用できます。

計量袋

湧水量を調べるときに使います。土石流や地すべり調査では、どの程度の水量が流れているのかが重要になりますので、持ち歩いてることがあります。

熊鈴

山奥だとクマやイノシシに遭遇しますので、つけておきましょう

爆竹

獣の気配がするときに使います。使うと逃げていきます。

長靴・トレッキングシューズ

野山の調査は危険なので、靴もしっかりしたものを選定しましょう。

ちなみに、私は岩礁のスパイク付き長靴を愛用していました。長靴と足を固定するためのバンドも付いているので、長靴でも足がずれにくくすることが可能です。

ヘルメット(帽子)

急な落石や転倒、倒木に備えてヘルメットを場合によっては使用します。

ハッカ油

ヘルメットや服に塗っておくと、虫が寄り付かないのでオススメです。虫が多いので、市販の虫よけスプレーはあんまり効きません

雨合羽

普通なら、雨の中の踏査は中止ですが、仕事だとそうも言えないときもあるので、、
高いですが、やはりGore-Texはオススメです。

胴長

深い川に入る際に必要となります。長靴と

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